11月10日、18:40羽田発のエアカナダトロント行きで出発し、それから移動36時間の末、いま私は南米チリの南端近くにあるプンタアレナスという街にいます。
南極点無補給単独徒歩到達への挑戦のため、ついに日本を出発して南極大陸に向かっています。
予定では、11月15日にプンタアレナスから南極大陸にある「ユニオン氷河」という場所の仮設キャンプに向かい、その数日後には南極大陸の海岸線にあたるヘラクレス入江という場所から南極点への単独行が始まります。
プンタアレナスでは、最後の買い出しや荷物のパッキングなどを行っています。南極へのフライトオペレーションを持つ民間会社との打ち合わせを行い、環境面で厳しいレギュレーションが決められている南極での行動についてのレクチャーなども受けます。
プンタアレナスは静かな港町。でもレストランに入ると生演奏があったり、日曜日の今日は若者たちが演奏をしていたりと、皆愉しげな雰囲気。
海を渡ればそこは南極、という地の果てのような街だけども、すごく素敵なところです。
英語はほとんど通じません。スペイン語のみですが、身振り手振りでも会話はなんとかできるし、そうやって意思疎通をするのも楽しいコミュニケーションです。
2000年、22歳のときに初めての海外旅行でカナダ北極圏に行ったときには、見るもの食べるもの聞く話出会う人、全てが新鮮で自分の世界がどんどん広がっていくような実感がありました。
それから17年経ち、次第に北極での冒険に若い時に感じていた瑞々しさが失われていくような感覚を覚えていたのは事実でした。飽きた、というのとはちょっと違いますが、北極ではこれから起きるであろうことが想像できてしまうことの物足りなさも感じていました。
いま南極に向かい、これまでとはまったく違う南米の空気に触れていると、17年前の瑞々しい感動を久しぶりに思い出したような実感があります。
南極入りするまであと3日。最後の準備に気を抜かず、楽しんで準備したいと思います。
ではまた明日。
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